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四つ打ちのクラブミュージックで踊ることの面白さがわかったのはつい最近なのですが、これは端的にBPMに自分を合わせられなかったという話です。おれにとっての踊る音楽というのは元々が90年代くらいまでのダンスホールで、それはBPMでいうと速くても110くらいだと思います。それからヒップホップで、それも比較的遅い拍でリズムが取れる音楽で、トラップ以降になってくるともっとゆっくりになる。バンドをやるようになってからはおれは専らスラッシュメタルの専門家で、そこでは180以上のテンポで頭を振るように訓練されました。その世界ではBpm160でミドルテンポと呼ばれていたし、デスメタルやエクストリーム系と呼ばれるところに足を伸ばせば200以上はザラでした。そういうわけで、四つ打ちの音楽のBpmである120~130周辺というのはレゲエに速しメタルに遅しといった具合で、興味の対象外と決め込んで箪笥の奥に仕舞い込んでいました。だけど20代も立冬を過ぎそうな年齢になって、そういう音楽も純粋に楽しめるようになったのは本当によかったと思う。おととい近所のバーに入ってみたら常連のおじさんがジンのフリークで、おれはジンがあまり得意じゃないんだけど、そういう人にもおすすめのがあるとか何とか言っていて、おれは30歳までにジンのうまさもわかるようになるのかもしれない。

 

今日は夕飯を食った後くらいからすごくだるくなってきて、まさか、と思って早めに布団に入ったんだけど、少し横になったら回復していて、変なところに気を張ってしまっているような感じがする。今日はレギュラーの作業の傍ら、ビート制作用のサンプルをひたすら掘っていた。本来鑑賞したり、同期して踊ったりするための音楽を自分の好きなように取り扱い対象化していくという行為は、伝統的な性の享楽に関する見方、すなわち人間の対象化にかなり近い行為なのだとリアルに感じていました。