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最近はOMSBが今年出したALONEというアルバムばかり聴いていて、もはやそれ以外の音楽を選択することを体が拒んでいるような感覚さえあったのだが、なぜだか大きな仕事がいくつか片付いたタイミングでぴたりとその執着みたいなものが無くなりました。今日はSteve LacyとJamezooを聴いた。ALONEは、自分が最近考えている自分の実存的な悩み(というと表現として過分だけど他に見合う言葉がない|この表現をした時点で他にあったはずの表現が見つからなくなってしまう感覚が確かにあり、それはプラトンが記したソクラテスによる「書くことが記憶を脅かす」という、デリダも着目したテーゼと無関係ではない)にかなり響いてしまっていました。というのも、自分が28歳になったということにおれはいまだに驚き続けているのです。「(任意の対象)に年齢なんて関係ないよ」という人を励ますためだけの言葉、もはやその内容には誰も価値を感じていないのに形式的に飾られている実家のラッセンみたいなクリシェがありますが、概念としての年齢が確実に万人へ訪れる「死」への距離の目安として暴力的なまでの生々しさを持って我々の前に(!)立ち現れ、「老い」という形で具象化するという事実は、どんなに綺麗な教育テレビ的修辞も覆い隠してしまう。

それでもやはり音楽が好きだ。Jamezooみたいに現実ではないような音もALONEみたいに瑞々しい生活の詩も、再生ボタンを押して1時間経ったら絶対に終わる。録音物は予定調和なのに、事故のような複雑さとあっけなさがある。


U-NEXTにウォン・カーウァイが大量に入りました。嬉しい。ブエノスアイリスを観ます。おれはまだ、王家衛のカラーコレクティングがなぜあんなに美しいのかをわかっていない。