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DAWのバージョンの都合でずっとHigh SierraだったMacをCatalinaにアップデートしています。騙し騙しやってたんですが、仕事の都合でPremiereを最新版にしなくてはいけなくなり、それに伴いついにOSをちょっとだけ新しくしてやらなければならなくなりました。今使ってるStudio one 3は古いバージョンなので、動かなくなったら今度はこっちもアップデートしないといけません。それにかかるお金が地味にしんどくて放置してしまってたんですが、仕事できないとどうしようもないので何とかします。


今、パソコンが使えないのでスマホで文字を打っています。パソコンとスマホにおけるテキスト入力の違いは、第一にキーボードとフリック入力という違い、すなわち手全体で打つということと親指一本で打つということの身体感覚の差です。これはそのまま打ち込むスピード感にも直結するので、思考と発話のラグの問題にも還元されます。第二に画面の大きさの違いがあり、これはテキスト全体のボリューム感の認識の差に直結しています。私たちはまだ、人生で最初に触れる長文というのが物理的オブジェクトすなわち本である時代の人間ですから、テキスト全体のボリューム感は本を基準にして知覚しています。パソコンのワープロソフトも、基本は原稿用紙やコピー用紙に書き込む体験の模倣として設計されているので、(手書きには大きく劣るものの)テキストのボリューム感はある程度認識しながら文字を入力しています。一方スマホでは自分がどれくらい書いたのかわかりません。スマホが1画面に収まる、1ツイート程度の文字数に最適なツールであることが、こうして中文程度のブログを書いてみるとよくわかります。


おそらく上記の要素は文体や書き回し(=言い回し=打ち回し)にも影響します。吃音によって話者の言語が一度脱構築されるように、スマホによる不自由な筆記は自分の育んできた文体を解体し、条坊的に配置された文字列をせせこましく親指でスライドさせることを通して新しい発話を生みます。